【佛僊眞道 成仙への原理(1223)】ゲシェー・ラプテン師「イダムについて」
- 2024.03.28 Thursday
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【佛僊眞道 成仙への原理(1223)】
ゲシェー・ラプテン師「イダムについて」
◎チベット僧院生活
チベット人の仏教僧(高僧)である、ゲシェー・ラプテン師の著書「チベット僧院生活」。
サブタイトルは「ゲシェー・ラプテンの半生」となっている。
ラプテン師の弟子である僧侶のアラン・ウォレス氏との共著ということである。
日本語版の訳者は、小野田俊蔵氏である。小野田氏自身がゲシェー・ラプテン師の弟子
であり、師のつくった僧院(タルパ・チョエリン)が出来る前身の研究所にて
(スイス北部リコン村)、伝統的僧院教育の手解き受けた。
共著に名を連ねているアラン・ウォレス氏のチベット名はジャンパ・ケサンという。
この本は1984年3月(昭和59年)に出版されたもので、私が所持しているのは勿論 初版本
である。発刊されてすぐに購入し、一気に読んだ。一日で二回は読了したと思う。
私と同じような人間がもう一人いて、そいつは一日で三回読んだと言った。
その人物とはその後仲良くなるわけだが、はじめ会った時はお互いにメラメラとライバル心
が燃えていた。今もその男は日本にいるが一時チベット僧院に篭って修行していた。
大体6〜7年ほどか?
◎チベット仏教に瞠目する人は読んでほしい
チベット仏教とか、チベット密教に憧れる、瞠目する人は是非この本を読んでほしい。
しっかりと仏教の教法を学んで、学法を身に付ける。これは佛僊の修行にも関わりがある。
お釈迦様も「学法比丘、修定比丘共に尊敬しなければならない」という旨のことを
述べられていた。
学法比丘とは「縁起論」「菩提心」を哲学的に究めてゆくこと。
修定比丘とは、ヨーギー。瑜伽師で、禅定の熟達者、教師(アーチャリヤ)である。
アーチャリヤ=阿闍梨=教師。阿闍梨(あじゃり)とは密教の先生ということである。
ゲシェー・ラプテン師はこの書の中で勉強・研究の内容や、ラマ上師との出会いや尊敬。
ラマの慈愛、厳しい僧院生活などが生き生きと畫がかれている。
ゲシェー・ラプテン師の根本ラマは、ゲシェー・ジャンパ・ケードゥップ師であるが、
この人の御姿にチベット仏教の奥深さを感じる。ゲシェーとは謂わば博士号である。
厳しいゲシェーの試験を受けて認められると此の号を授受される。
◎密教の「イダムについて」
チベット仏教、チベット密教では「イダム」という事をいう。
「心に結びついた本尊」というような意味である。自分の心と結びつきのある特別な佛
ということになる。これは佛菩薩に縁のある者なら、誰でもイダムがある。
はっきり分かっている場合もあるし、ある儀式などで決められることもある。
こういう謂わば自分の「守り本尊」「守護佛」という存在は、修行して行く上でも、
人生のあらゆる場面で重要な働きをする。簡単な方法は自分の生まれの干支で決める
方法で、日本では古くから是認されているものである。昭和の傑僧であられた、あの
山本玄峰老師ですら、その事を「無門関提唱」で述べられている。
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ゲシェー・ラプテン師はこのことについて次のように述べている。
【問い】その瞑想神(イダム)というのは何なのですか。そしてそのようなものを瞑想する
のにどのような意味があるのですか。
【答え】多くの人々がイダムというのはたくさんの手を持った猛悪な様相の神で
なければならないと思っているが、これは誤りだ。私たちの究極の目的は、現在のこの
迷いの段階からさとりへと至る修行の階梯を一歩一歩向上させることにある。
瞑想神の形や色、そして彼らの手に持たれている法具のそれぞれは、この修行道の
さまざまな局面を表している。イダムは私たちが特別の結びつきを持っている仏陀の化身
なのだ。この結びつきはイダムを観想したり、供養したり、誓願文を唱えたりすることに
よって、さらに強められる。そしてそのイダムは、私たちの心に良い転換を起こす力を
与えてくれる。したがってイダムは必ずしも忿怒の相をとっている必要はない。
古代インドの偉大な聖人たちの多くはマンジュシュリー(文殊菩薩)やターラー(多羅菩薩)を
自分たちのイダムとしての神格とみなしていた。
そしてターラー(多羅)やアヴァローキテーシュヴァラ(観音菩薩)はカーダム派のゲシェー
たちの多くが自らのイダムとしていたといわれている。
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まあ言ってみれば、霊感の源泉という存在であり、根本ラマとイダム、ダーキニーが
相俟って修行者を導いてくれるということである。
前にも申したが、主体・主人公はあくまで自分の本性であり、一霊である。
依存すると「神憑(憑霊現象)」になってしまうので、横道にそれてしまう。
神・佛ともに守護の存在はあるので、よくよく考察する必要がある。
このことは修道の要でもある。云々。
では神仙・佛僊のお恵みが皆様の上にありますことを。
川島金仙 記す
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【令和6年4月の予定】
4月9日(火)新月祭(午前3:22)
4月14日(日)天心統覚(天心瑜伽)
4月24日(水)満月祭(午前8:50)
4月26日(金)庚申司命祭
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【天神地祇祭儀の次第】
二禮二拍
護身神法
三種加持
天津祝詞
天真地真自感霊辞
玄府奇祝言
玄法攘魔秘文
大祓詞(天津祝詞太祝詞秘辞を入れる)
六根清浄太祓
産土神祝詞
十言神咒
幽冥神語
大國主大神禁厭咒
祖霊祈念詞
霊魂安鎮秘詞(全伝)
三界萬靈安鎮祝詞
天満宮
得仙秘文
道引印
国家安泰祈念詞
済世秘咒
その他(任意)
二拍二禮
※大体 上記が基本です。
※各秘詞を繰り返し行う。
※短く行うときは回数時間を短縮するも可。
※適宜は一遍でもよい。
※幣による修祓、献饌など適宜入れるも可。
※最略は礼拝して大司命祭文だけでもよい。
※大祓詞を一時間以上やる場合は開始時間をずらして行なう。
※磐長壽姫祝詞、拝神祗願得知識秘詞、十字神咒その他を知り知れる方は
密用自在にして自由。自己責任で御修唱ください。
※献酒献饌、切火祓、大幣祓、剣祓、石笛奏上なども任意。
【念力疏通 遠隔 観音祈願会 次第】
◉【佛遷眞儀】午前中
先、三禮
一心頂禮 十方法界 常住三宝
(一禮目は神祗、二禮目は佛眞、三禮目は諸仙萬靈を禮拝す)
次、護身法(任意)
次、懺悔文(三遍)
次、三帰三竟(三遍)
次、発菩提心(三遍)
次、三摩耶戒(三遍)
次、開経偈
次、般若心経奉賛文
次、摩訶般若波羅蜜多心経
次、延命十句観音経(観音夢授眞経等)
次、南無大慈大悲観世音大菩薩
次、観音経( ※観音妙智力祈願)
「衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
具足神通力 廣修智方便 十方諸国土 無刹不現身」
(しゅーじょーひーこんやく むーりょうくーひっしん
かんのんみょうちーりき のうぐーせーけんくー
ぐーそくじんつうりき こうしゅうちーほうべん
じっぽうしょーこくどー むーせつふーげんしん)
次、南無大慈大悲観世音大菩薩
次、天神経・大威徳天神感応経
次、十一面観音咒等
次、天満宮秘哥
次、天地一切清浄祓
次、南無天満大自在天神
次、南無大慈大悲観世音大菩薩
次、観音十字摩尼咒( ※観音経精髄)
「慈眼視衆生 福聚海无量」
次、観音マニ咒(六字咒)
次、蓮華生大師
次、聖ターラ咒
次、葉衣観音咒(大咒、小咒)
次、吒枳王真言
次、三神(天照、八幡、春日)
次、青面金剛尊、帝釈天、弥勒佛
次、弘法大師御宝号
次、光明真言
次、七佛通誡偈(諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教)
(しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう じじょうごい ぜしょぶっきょう)
次、縁起頌(漢文、梵語)
次、本覚讃
次、祈念文
次、追善文
三界萬霊 有縁無縁之霊位 追善供養 座宝蓮華 成等正覚
(さんがいばんれい ゆうえんむえんのれいい
ついぜんくよう ざほうれんげ じょうとうしょうがく)
次、南無大慈大悲観世音大菩薩
次、廻向文
次、三禮
※般若心経、十句観音経、天神感応経の観音菩薩段、
葉衣観音段、縁起廻向段に分けられる。
※特に般若心経を多くお唱えするとよい。
※念願を入れる場合は、心経奉賛文の後に入れる。奏上しても、黙念でも
任意である。
※その他の経典や御真言を入れるのは任意である。
例えば自分は 青面金剛尊を尊崇しているという方は、光明真言の前に入れればよい。
弘法大師を信仰していない人は、抜いてやればよい。適宜、加え抜くなどやればよい。
※観世音菩薩「一切抜苦脱難大事成就符」を奉って祈願のこと。
※動物の霊を供養する時には光明眞言の前に入れればよい。
(馬頭観音、四足動物咒、施餓鬼飲食眞言など。)
【白衣観音除難除災術】
〔白衣大士神咒経〕
南無大慈悲救苦救難広大霊感 白衣観世音菩薩摩訶薩
(なむだいじひきゅうぐきゅうなんこうだいれいかん びゃくえかんぜおんぼさつまかさつ)
南無仏 南無法 南無僧 南無救苦救難観世音菩薩
(なむぶつ なむほう なむそう なむきゅうぐきゅうなんかんぜおんぼさつ)
怛只哆 唵 伽囉伐哆 伽囉伐哆 伽訶伐哆 囉伽伐哆 囉伽伐哆 娑婆訶
(とーじーとー おん からはった からはった かこはった らかはった らかはった そわか)
天羅神 地羅神 人離難 難離身 一切災殃化為塵
(てんらじん ちらじん じんりなん なんりしん いっさいさいおうかいじん)
南無摩訶般若波羅蜜
(なむまかはんにゃはらみつ)
〔白衣観音咒〕オン シベテイ シベテイ ハンダラバシニ ソワカ
【白衣観音神咒の意訳】
怛只哆 唵 伽囉伐哆 伽囉伐哆 伽訶伐哆 囉伽伐哆 囉伽伐哆 娑婆訶
(とーじーとー おん からはった からはった かこはった らかはった らかはった そわか)
の部分の意訳です。
〔意訳〕「このようになる。帰依したてまつる白衣尊よ。光りで摧破す。光りで摧破す。
大光で摧破す。風火で摧破す、風火で摧破。あれかし成就。」
三遍唱えるを一回とする。観音菩薩、白衣観音を念じて、この神咒を一心不乱に唱えると、
未浄化の霊は忽ち居なくなるものです。霊的な障害にもよく効きます。
法の運用に関しては、先ず三禮・懺悔文・帰依・菩提心を行じ、開経偈、心経、
続いて白衣観音除難除災術、最後に光明真言をやり、廻向・普禮でおわり。
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