密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㊲】

  • 2019.09.30 Monday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㊲】


≡ 偉大な母の功徳を説く ≡



◎宇宙から光線の実相を説く


或る神智学のアデプト(超人)は、宇宙から降り注ぐ光線(電波)に関して

次のように記している。


『古代の大聖たちは、宇宙電波が三つの群をなして、われわれに降り注がれているのを

知っていた。

一つは、大きな無数の星から来る電波が、われわれの太陽系に密接な関係があること、

且つわれわれは、それと特殊の関係におかれていること。
二は、黄道帯の十二星座から来る電波が、太陽系と地球に及ぼす大影響である。
三は、太陽の周辺にある星から来る電波の影響である。
これ等の電波が、「力への意志」を促し、「愛の意志」を促し、「知らんとする意志」

を促していることも明瞭に認識されていた。また七つの大太陽系が、大熊座の星、

乙女座の星、シリウスと相連絡して、人間と地上に大なる影響を与えていることも

知られていた。なお且つ古の大聖たちは、これ等の電波には、宇宙大霊の思想が印象

され、記録されていることを教えた』


ここでいう、電波とは光線ということでもある。七つの光線というが、

それは七つの宇宙電波でもあり、ある「印象」を与える。それを天賦という

わけだが、それが星座とか宿命と言われるものになるわけだ。

大宇宙からの「印象(情報)」の刻印もあるが、これは魂のレベルであり、

太陽系の惑星からの影響は、アストラルレベルということになる。この中に

悪しき印象(光線)もあるということだ。



◎母は子どもを悪しき光線から守る


【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉜】において次のように記しました。

『◎母の功徳は守護にあり
私は母胎が子どもを物質的にだけでなく、宇宙からの光線、星々からの影響などからも

護っていると言いました。お釈迦様の御母堂である摩訶摩耶夫人は、その影響を受けて
早逝したのであると。キリストはどうだったでしょう。聖母マリアが馬小屋で出産しま

した。聖母マリア(母胎)は聖霊の導きで、安全な所に移動しました。出産時に父ヨセフ

がいました。さらに聖母子を守護する移動する星が飛来してきた。星々からの悪しき

光線を聖母は受けないで済んだのです。お釈迦様もキリストも実母は移動している時に

出産したという共通項がある。これは空間・時間の影響を避ける方法なのです。
母親は、皮膚と筋肉脂肪粘膜、膜と水で胎児を護る。物質的に、感情的には心音で

24時間守る。印象(智)は宇宙電波(光線)も含まれる。密教でいう、身・口・意の三密で

母は子どもを守護する。実のところ、出産して身体の外部に出ても、母は子どもを守護し

続けます。離れていても、何処でも母は子どもを守護するのです。これは「顕幽」関係が

ない。生きていようが逝こうがテレパシーは届くのです』と…。


「身・口・意の三密」、これは密教の用語ですが、古今東西の宗教は、

必ずこの三つの側面にアプローチしています。殊にお唱えごとは重要で、

お唱えの語句あるいは言葉による伝達のない教えは存在しません。

口と耳、これが「教え伝達の要諦」なのです。だが、この言語・会話には

誤謬がある。各人の口調・語彙その他で発する側と受け取る側に差異が生ずる。

これが人類の不幸のもとで、そのことを旧約聖書では「バベルの塔」の寓話として

示している。


❶母は、身(肉体)で護る。肉体で護るということは、それに付随する、氣体エーテルでも

守っている。で、胎児に適切な栄養を与える。これは母体の欲求で為される。何となく

好きでもない甲殻類が食べたくなるとか、はっきりした場合の実例として、卵の殻を

食べたくなる。卵の黄身・白身ではなく、殻ですよ(笑)。はっきり胎児(子ども)が要求

する。

❷粘膜と水と秘膜で、外部の衝撃はもちろんのこと、感情体のレベルで子どもを

護る。感情体とはアストラル体です。アストラル体は火・水に通じます。

下位アストラルは水との関連もあり、高位アストラルは火に関連がある。

下位のアストラルは低級な感情であり、これを水の防壁で護る。例えば孕んでいる

お嫁さんを姑が意地悪する。すると胎児は全て聴いている。胎児にも感情はあるのですが

この水(羊水)で守護されている。

アストラル体は「星辰体」とも言い、惑星からの影響がある。星の運行の障りからも

守る働きをします。惑星の悪しき光線から胎児を守護します。

アストラルの栄養は何かと言うと、音楽です。つまり「口・音」である。

「空気(呼吸)」も含まれる。胎教といって良い音楽を聴かせる。これはより良く感情体

を発達させる方法です。

で、ここで問題です(笑)、最高の音の栄養は何だと思いますか?

( ※ もったいぶります。次回 最終回で正解を書きます。私、意地悪ですから(笑))

❸心のレベル、魂のレベルで、守る。

深い心、これで護る。先の最高の音の栄養とも関連がある。

心の栄養にも低位と高位がある。メンタル体ですね。

低位メンタル体は普通の心の状態。高位になると究極的に「虚空蔵」にまでゆく。

一つ言えば、「摩訶般若」など高級メンタル以上にまで通じています。

お母さんが自分の母親の苦労を思う。母の愛を思う、これはメンタルの栄養です。

(1)「食物」の栄養、(2)「音・空気」の栄養、(3)「印象・想念」の栄養、

すなわち三つの栄養吸収と、三体の防御壁から子どもは守護されているのです。


(つづく)
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〔『摩訶般若波羅蜜多心経 小経本 印施の募集』〕
来年2020年(令和二年)摩訶般若の功徳を込めた小経本を作成し、広く布施行を
おこないたいと思います。ご協力頂ける方を募集します。詳細は後日発表します。
kawashima.seitai@gmail.com までご連絡を。川島徳慈。


川島徳慈しるす

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㊱】

  • 2019.09.29 Sunday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㊱】


≡ 偉大な母の功徳を説く❽ ≡



◎神人・松下松蔵大先聖の御教え


ご存知、神人・松下松蔵大先聖の次の教えを見てほしい。


『どんな人でも親の恩を受けない者はない。自分の体も魂もみな親から得たもので、

しかも生長し成人するまで、その世話になる。親の恩は山より高く海より深い。大恩

ある親に孝を尽すことができない人が、朋友に尽し、社会に尽し、国家に尽くす事が

どうしてできよう。孝は百行の始めで人道の基礎である。どんな人も孝道を人間道徳

の根本と心得なければならない。親より祖先、祖先より天地へつながっている。人は

天地の分霊を頂き、親あってこそ我が身が存在する。親孝行は人にとって絶対の道で、

人道の根源は至孝にある。私がこの様な神通力を得たのも、ひとえに孝行の賜物である』


親孝行・孝養らしきものをしたから神通力を得れるのではない。

親への孝養・報恩は、「霊止(ひと)」のみが行なえるものである。

その親への孝養は、神さまにまで繋がっている。それゆえに神通力が出てくるのである。


◎伊邪那岐大神&伊邪那美大神に通じる


顕幽両界というけれども、顕界にまで神の根を下ろしたのは岐美の親神様である。

すなわち物質化を果たした祖神は、伊邪那岐大神と伊邪那美大神だ。

そこから様々な神々が御生れになり、人類も出てきた。ヒトは神の一霊を付与され

父母から血肉・骨を享けて、この世に産まれてくる。


両親から産まれてくるのだが、霊的に見たとき、辿って行くと岐美の大神にまで

遡ることができる。ゆえに両親への孝養は神に通じているのだ。


◎更に奥の大御神様の秘密


松下松蔵大先聖は、さらに奥に大神様がおられると説く。

記紀でいう、天御中主大神・高皇産霊大神・神皇産霊大神をば、造化三神といい、

要するに、天地開闢(宇宙)の根源だとするのである。


だが、松下大神人はさらにその上に大御神が居られると言われ、その御神名まで

明かされているのである。

( ※以前に、この大神の御名のお札を作って皆様にお授けしましたね)


父母への孝行・報恩は、真の宇宙の根源にまで達する、一番尊いものなのである。

人の場合、母胎をかりてこの世に出てくるわけですから、母は殊に尊く、

その母を護る父も同じくらい尊い。



◎般若心経と父母への報恩


「摩訶般若波羅蜜多心経」には、父母への孝養・報恩ということは記されていない。

般若心経は、全体がマントラの経典であるから、父母孝養のようなことは書かれて

いない。


僅かにお経のタイトル「摩訶般若波羅蜜」の中に、佛母の御名が見てとれるという

具合である。


だが最後のマントラムに、父母への祈りが込められている。

詳しくは「摩訶般若波羅蜜多心経の講習会」で述べますが、

『ガテーガテー パーラガテー  パーラサンガテー  ボーディーソワーハー』

というものを こう読む。


『お父さん有難う、お母さん有難う、お母さん産んでくれて有難う ソワカ(あれかし)』

「パーラ サン ガテー」の「サン」は、「産」で「産んで(くれて)」。


こう読む、

摩訶般若波羅蜜多心経。観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時…。〜〜。

是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚故 説般若波羅蜜多呪

即説呪曰…。

「父有難う 母有難う 母産んでくれて有難う 菩提薩婆訶 般若心経。」

( ※「ちーちーありがとう  はーはーありがとう  はーはー産んでくれてありがとう

ぼうじそわか  はんにゃしんぎょうー」)


祖父母を入れるやり方は、

「祖父有難う 祖母有難う 父有難う 母有難う 菩提薩婆訶 般若心経。」

( ※「そーふーありがとう そーぼーありがとう ちーちーありがとう はーはーありがとう

ぼうじそわか  はんにゃしんぎょうー」)


これが父母・祖父母への報恩孝養(ご供養)の「摩訶般若波羅蜜多心経」読誦の仕方である。

通常の如く「ギャテイギャテイ」とお唱えしつつ、父母への孝養を憶念しても良い。

(つづく)
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密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉟】

  • 2019.09.28 Saturday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉟】


≡ 偉大な母の功徳を説く❼ ≡



◎寺社の境内は「映し鏡」である


再び池上大坊での話である。

池上の大坊(本行寺)は、日蓮聖人臨終の館(池上宗仲)に建立された寺院である。

私の歩み中で池上は少なからぬ因縁がある。或る警察署長さんとその奥さんをめぐる

「霊夢」の話は以前に述べました。あの霊話の舞台になったのが池上大坊です。


実のところ、寺院とか神社の境内というのは、一種の鏡なのです。

何かを映し出す場所である。顕幽両界の「映し鏡」ということです。

ですから、神職やお坊さんは境内を掃き清めなければならない。

その寺社の境内の清浄さと、神職・僧侶の態度作法を見れば一目瞭然、すべて

モノを言っております。


神様ホトケ様は、参拝者にいちいち「教え」など垂れない。

御神示やご仏勅は、そう簡単にあるものではない。

寺社には大きな鏡が用意されている。なんでも映し出す鏡。

その鏡こそ、境内であり(本堂本殿の)空間なのである。

境内と空間=映し鏡。分かりますか。


この事を頭で分かろうとしてはいけませんよ。感じるのです。

信仰心をもとに感じるのです。現代人の悪い癖は、すぐに情報で理解しようとすること。

深い心、親が子を思い、子が親を思うようになる。この生命の基礎をしっかり憶念して

こそ、はじめて深い心、真実の信仰心が得られるのです。

それが無いのに、覚りだ、チャクラだ、クンダリーニだ、解脱だ、鎮魂帰神だと言っても、

そんなものはルイ・ヴィトンの偽商品と同じです。まがい物なんです。

深い心が、何とか某真理教の信者さん達と同種類の身勝手な・安易な紛い物に

なってしまいます。似て非なるものです。



◎袖振り合うも、他生の縁


便利になっていることと、深い心が得られることはイコールではなく、

今の日本人はむしろ、深い心の涵養等からは退化しています。

日本に必要なのは、親が子を思う心、子が親を思う心です。

これがすべての問題を解決してゆく秘鍵です。


さて、話を池上大坊に戻します。

数年前、私は週に何回か大坊に訪れて参拝しておりました。

「北の棒杭」と呼ばれたお宅に治療で伺っていたからです。北の棒杭の御宅は、

今の池上梅園から国道までの大きな敷地の邸宅だったのです。

日本画家の故 伊東深水さんのお宅の一部が梅園として残っているわけですが、

(※故 朝丘雪路さんの父上)

昔は「北の棒杭」家とお隣りで、間に50冂の小川が丘の上から流れていて、

それは清らかな湧き水で、野菜などはザルに入れて其処に漬けておくと、冷んやりと

冷えて良い按配になったそうです。その横が名刹の実相寺さんで、先代は池上本門寺の

管長さん。そしてさらに横が大坊(本行寺)です。


ある日、お二人のご夫婦がいました。境内に居たのは、そのお二人と私だけ。

おトイレをお借りして、境内の有名な桜の木のところですれ違いました。

その時に僅かに着衣の袖が触れました。


「袖振り合うも 他生の縁」というではないですか。

そのご夫婦は亡き子どもの供養のためにお参りに来ていたようです。

逆縁と言いますね。親にとっては耐え難いことです。


私は掲示板の所にゆき、毎月の言葉を見るのが習いだったのです。

それを目にした時に、軽い衝撃を受けました。


(※「袖すり合うも多生の縁」「袖振り合わすも多生の縁」と、いろいろあり。

室町時代くらいからある諺。「多生」とも「他生」とも書く。大昔、男女が巷で

イエス ノーをする意思表示。その仕方は、女性が「振袖」を合わせる仕草をしたら

OK。手を外に出して「袖を振る」仕草をしたら拒否。この仕草を「袖を振る」と

言った。男女の縁、結縁しなくても多生のえにしだと言ったわけである。

転じて、他生の縁、袖が触れただけでも、前世からの縁だよと言う諺。

まあ、話をするということがあったら、まず間違いなく「多生の縁」ということ

ですね。呵呵)



◎日蓮聖人「忘事経事」の教え


その時の日蓮聖人の聖語は、

「我が十指は、父母の十指。我が口は、父母の口なり。」

( ※ 日蓮聖人御遺文「忘持経事」)

だったのです。


『忘持経事』

日蓮聖人の信者、富木常忍氏は齢90歳で亡くなった母の遺骨を抱いて、

下総から身延山の日蓮聖人の下へ登拝参詣し、納骨しました。

その帰途、富木氏は自ら所持の経巻を聖人の草庵に置き忘れてしまった。

日蓮聖人は、その経巻に手紙を添えて届けさせたのです。
厳格な信仰心を持つ富木氏らしからぬ失態。それに対して洒落を交えた説諭の手紙を

添えた日蓮聖人。富木氏の母の納骨が身延山納骨の起源ともいわれます。

大切なお経を忘れるほどの信仰心。息子も母そのものである。父そのものである。
この出来事は日蓮聖人55歳のとき。建治2年(1276年)の事であった。


私は、すぐにそのご夫婦を追いかけ、次のように申しました。

「今、わたしの袖があなた様と触れ、振り合いました。

これは日蓮聖人とのご縁で深い縁(えにし)によって、お示しされました。

きっとあなた様(ご夫婦)と私には目に見えない仏縁があるのだと存じます。

ぶしつけですが、こうして私は仏縁を得て元気でやっております。

お父さんお母さんも、どうぞお元気で健康にお過ごしください。

きっと過去世(すぐせ)で、親子のご縁を得ていたのかもしれません。」


すると、ご夫妻は驚いていましたが、こう口を開きました。

「私たちは亡き子どもの供養のためにお参りに来ました。ですが、貴方が

熱心にお参りにしているのを見て、とても気になり、亡き息子が存命していたら

あれくらいだろうかと話していました。こうして追いかけてきて、お声をかけて

くださって有り難く思います。過去世の事は分かりませんが、これも息子の

導きで、確かに深い仏縁を感じます。はじめてお話しする方ですが、どうぞ

貴方様もお元気でお過ごしください。」


私は、

「自分が生きている限り今生の父母の孝養も、過去世の父母の孝養も忘れません。

ご健勝なることをお祈りし続けます。」

そう言って、ご夫妻と固い握手をしました。

「我が十指は父母の十指なり」と憶念しながら。


その後、日蓮聖人の御臨終の間(本堂)で、静かに祈り、唱題させていただきました。

何故か?私の目からは、滂沱の如く熱きものが流れ、感涙にむせんだのである…。

「妙法とは父母の孝養なり」そういう考えが、脳裏を駆け巡りました。


そうです!

私の秘密の行、「摩訶般若波羅蜜」の修行にも、父母の孝養がなければ

ならないのです。慈父の護り、悲母の守り。これに応えるのが子どもが為すべき

供養・孝養である。


殊に、母への孝養は「妙法」の文字にも込められている。

母は、過去世(すぐせ)を越えてでも、子どもの消息を知ろうとする、

深い慈悲に溢れているのです。


これを「二世の大願」という。

私は「廻向偈」の最後にいつも次のようにお唱えしている。

「二世大願如意成辯(にせだいがんにょいじょうべん)」と。


「摩訶般若波羅蜜多心経」を究めんとする密教行者は、

すべて女性を二人とないお母さんと思えるようになるまで、慈悲を巡らし

生命の本質を思い究めなさい。特に男性の修行者は徹しなさい。


(つづく)
ーーーーーーーーーー
〔『摩訶般若波羅蜜多心経 小経本 印施の募集』〕
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密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉞】

  • 2019.09.27 Friday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉞】


≡ 偉大な母の功徳を説く❻ ≡



◎法身普賢母(クントゥサンモ)の教え


法身というと日本では大日如来ということになる。

法身、報身、応身(変化身)を三身といい、大日如来が法身の代表。

報身の代表が、金剛薩埵である。応身はトゥルク(転生活佛)ということになる。

転生活佛の代表が、チベットの象徴「ダライ・ラマ法王」である。


日本の密教では大日如来を以って曼荼羅の蘊奥、根本佛とするが、

チベット密教では更に法身普賢クントゥサンポ(略してクンサン)を以って一番奥のホトケと

位置付けている。


そのお姿を見ると、宇宙そのものを表現した肌色をしており、更には全身一糸纏わぬ

ありのままの本初佛である。そしてクントゥサンモ(法身普賢母)とのヤブユム(父母尊)

なのである。


「摩訶般若」の覚りは、大般若佛母(摩訶般若佛母)から生まれてくる。

般若菩薩は、摩訶般若佛母から出てくる。

法身普賢の生みの佛母は、クントゥサンモなのである。


母も含めて女性の性質は内的であり、身体の内側に関するヨーガの修行法などは

ほとんど母系のものである。チベット密教の奥義は、内的なヨーガ、更にその奥にある

秘密のヨーガである。



◎チベットのマハーグルの教誡


チベット密教の奥義の口伝に、

「智慧ある者は酒を飲み、慈悲ある者は肉を喰う」、

「(密教行者は)すべての女性を尊重しなければならない」、

「密教をやるということは)竹の中にいる蛇と同じである」等々あり。


密教の奥義は、内的なエネルギーの統合も含んでいるが、

内的なエネルギーの流れというのは、まさに女性的なものなのである。


クントゥサンポ & クントゥサンモ(原初の本初佛)が音になると、

それが「金剛の歌」となって出てくる。


❶すべての女性を大切に思わない人は、密教タントラを成就することはできません。

❷お母さんを大切に思わない人には、「摩訶般若波羅蜜多心経」の覚りを

体得することはできません。何故なら、「般若心経」は密教経典でもあるからです。


「金剛の歌」は、「太陽と月の合一」というタントラ経典に由来しており、

有名な「チベットの死者の書」の核心のマントラである。ウッディヤーナ語、

ダーキニの言葉と言われ、父(男)と母(女)の音で構成されている。

言葉の意味はあるが、それよりも音そのものが重要である。



◎金剛の歌のセムズィン


〔金剛の歌〕

『生じたこととてなく、しかも途切れることなく、

来ることもなく、去ることもなく、遍在するもの。

至高のダルマ、定義を越え、自然に自らを解脱する、不変の空。

完璧な、何の妨げもない境地、すべての始まりから存在し、場所を持たず、

自分自身から生まれた。

拒絶すべき悪もなければ、受け入れるべき善もない、

あらゆるところに浸透している無限の広がり。

広大で、何の限界もなく、束縛もなく、解いたり、何かから解き放つ必要もない。

時空を越えて顕現し、原初の時から存在する、広大なイン、内部空間。

太陽や、月のように、リクパの光をつうじて輝きわたる、あるがままで完璧なもの。

金剛のように不壊で、山の如く不動で、蓮のように清らかで、獅子のように力強い。

比べるものとてない、無限の喜び。

始原からの完璧な啓示、平等、法の頂上、宇宙の輝き。』


この覚りの土台は「摩訶般若」である。本質には必ず「般若」がある。

「金剛の歌」の意味を知的に理解してもまったく意味がない。

せいぜい「物知りの覚り」を得るのが関の山である。

「知ったつもり」その程度だ。日本でも「金剛の歌」を諳んじている人は、

100人くらいはいると思うが、本当の意味で「覚り」に直結しているのは、

せいぜい多くて5人6人、下手をすると一人二人いるかいないか、

そういう確率である。まして「摩訶般若波羅蜜多心経」に練りこんでいる密教者は

稀有であろう。


「金剛の歌」を使った重要な修行にセムズィンがある。

これは三昧に入っていく修行である。セムズィンには21種類あり、殊に重要なのは

7つであり、「金剛の歌」のセムズィンはその一つだ。

ウパディーシャ(秘訣部)という部の修行法である。


背骨を中心に「摩訶般若波羅蜜多心経」を繰り返し念誦して、

緩めると、「摩訶般若」の覚りが生ずる。

これは「金剛の歌」のセムズィンと同種の感格が得られる。

呵々大笑。


〔質疑応答〕

(質問)先生ー、「摩訶般若のセムズィン」の場合は、「摩訶般若波羅蜜多心経」を

どのくらい唱えればいいでしょうか?


(お答え)そりゃあー、任意ですよ(笑)

たとえば私ならどのくらいやるのかというと、

少なくとも3時間ですね。できれば半日ほど。できれば断食して…。

聖なるもの、佛菩薩、原初佛の父母尊、グル・ラマを常に頭上に観想すること。

クントゥサンモ(法身普賢母)を忘るべからず。


( ※ 偉大なマハーグルの御命日9/26に「金剛の歌」を謳いつつ之れを記す)


(つづく)

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密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉝】

  • 2019.09.26 Thursday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉝】


≡ 偉大な母の功徳を説く❺ ≡



◎「摩訶」の秘解を説く


「秘解」、秘密の謎解きです。

今日は「摩訶般若」の「摩訶」の秘密の謎解きをしましょう。


前回のブログ記事で、わたしは「マー」の原始母音、宇宙の母音について述べました。

『「マー」音の瞑想』ということを申しました。


「摩訶」は「マハー」の音写です。

「ハ」「ハー」は漢字で「訶」「呵」と表記します。

「呵々大笑(かかたいしょう)」などと言いますね。

「ハっハハハー」と大笑いする様を表現しているのです。


日本の真言密教では、あまり普及しませんでしたが、金剛薩埵の百字真言という

マントラがあります。金剛薩埵のヨーガは、マハーヨーガに属するので、

日本の密教の所伝では未だ到達していなかったのです。


マハーヨーガのレベルになって初めてゾクチェン(大円満)などでいう、

主体客体を完全に統合した境地がうまれます。その土台があって「光の身体」

「虹の身体(ジャリュ)」が得られます。これは仙術の「霊胎」よりも上のものです。

氣とかプラーナというそういう相対的なものは超えているからです。

まさに「マハー(摩訶)」なのです。


マハーヨーガのレベルの金剛薩埵はヤブユムで父母尊なのです。

金剛薩埵だけに見えても金剛薩埵妃(母)が法具に変化していたりして隠れているのです。

やはり父母、お母さん(金剛薩埵妃)が必要になってくるのです。

母なくしてあたらなる金剛薩埵も生まれない。


金剛薩埵の百字真言は、

オーン  ヴァッジュラサットヴァサマヤ  マヌパラヤー
ヴァッジュラサットヴァ テノーパー  

テイシャディド メバヴァ
ストーショヨ メバヴァ
スポーショヨ メバヴァ

アヌラクトー  メバヴァ
サルワスィッディ   メプラヤッチャ
サルワカルマ スチャメー   チタッンシュリヤン  クルフーム   ハハハハホー
バガヴァン サルワタターガタ  ヴァジュラマメームンツァ
ヴァジュリバーワ  マハーサマヤサットワ アー

(サマヤ  シュデ  アー)

です。


短い金剛薩埵のマントラが、

オーン  ヴァジュラサットヴァ フーム

ここでも「ハハハハホー」とあり、漢字では「訶訶訶訶斛(カカカカコク)」となります。

この真言は愛染明王法の奥伝に出てくるものです。

チベット密教の縁を得た行者は、このマントラを寝る前に起床時に21遍(7遍)誦して

滅罪をはかります。これでその日 一日のどんな罪障も滅することができます。

( ※ やり方に口伝あり。口伝を受けよ。)

金剛薩埵のマントラに優る滅罪真言はなく、金剛薩埵のヨーガに

勝る罪障消滅の法はないのです。



◎「カダック」ということ


「カダック」とは清浄ということ。カダックを約めると「カ」になります。

チベット語でも梵語でも「カ」が始めで、清浄なる音の「カ」が始めなのは、

聖なる言語である証拠だと、私は師のマハーグルから教わりました。


日本語は「あ」からですが、言霊修行の際に用いる「眞壽美乃鏡」の秘図には

七十五音があって、その始まりは、「カ・ガ・タ」で、やはり「カ」なのです。


「摩訶(マカ)」は「大きい」の意で、計り知れないくらい広大無辺な大きさ、これを

摩訶というのである、というのが高僧の解釈ですが、

私は「お母さんのお腹の中くらい大きな慈愛に満ちた清浄なる空間。偉大な空間」

それが「摩訶」であると考えています。宇宙の根源の大いなる母も、実際のお母さんも

本質的に同じもの、「偉大な慈愛に満ちた清浄なる空間」なのです。

まさに大般若佛母だと思いませんか?

「摩訶般若波羅蜜多心経ー」(まかー はんにゃー はらみったー しんぎょうー)

と朗々お唱えするときに、このことを念頭に行なうわけです。

( ※ もちろんお釈迦様の母や玄奘三蔵様の功徳もふくめてです)



で、これは私個人のことですが、相当古い時期にわたしはカトク寺という古刹と

ご縁がありました。ここでお二人の高僧と佛縁がありました。カトクの「カ」も

清浄な土地、聖なる土地という意味で使われています。


カトク寺(か とくじ)どこか私の名前に似ていませんか?(笑)

このお寺の名前を聞いただけで、そのお寺の空間が脳裏に出てきて、

修行している有り様が浮かんでくるのです。まったく不思議です。


私の「大空の般若」は此の聖地の覚りも含まれています。

般若心経をお唱えすると過去世のすべての修行が込められたものになります。

今生で生半可に齧った読経とは違うものがあるのです(笑)

ですから、私はこのことを大事にしたい。真に志のある人、智慧のある人、

そういう理解者達と「天心を超えた大空の摩訶般若」を読誦・体得できればよいと。

そう思っております。


(つづく)

ーーーーーーーーーー
〔『摩訶般若波羅蜜多心経 小経本 印施の募集』〕
来年2020年(令和二年)摩訶般若の功徳を込めた小経本を作成し、広く布施行を
おこないたいと思います。ご協力頂ける方を募集します。詳細は後日発表します。
kawashima.seitai@gmail.com までご連絡を。川島徳慈。


川島徳慈しるす

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉜】

  • 2019.09.25 Wednesday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉜】


≡ 偉大な母の功徳を説く❹ ≡



◎母の功徳は守護にあり


私は母胎が子どもを物質的にだけでなく、宇宙からの光線、星々からの影響などからも

護っていると言いました。お釈迦様の御母堂である摩訶摩耶夫人は、その影響を受けて

早逝したのであると。


キリストはどうだったでしょう。聖母マリアが馬小屋で出産しました。

聖母マリア(母胎)は聖霊の導きで、安全な所に移動しました。

出産時に父ヨセフがいました。さらに聖母子を守護する移動する星が飛来してきた。

星々からの悪しき光線を聖母は受けないで済んだのです。


お釈迦様もキリストも実母は移動している時に出産したという共通項がある。

これは空間・時間の影響を避ける方法なのです。


母親は、皮膚と筋肉脂肪粘膜、膜と水で胎児を護る。

物質的に、感情的には心音で24時間守る。印象(智)は宇宙電波(光線)も含まれる。

密教でいう、身・口・意の三密で母は子どもを守護する。


実のところ、出産して身体の外部に出ても、母は子どもを守護し続けます。

離れていても、何処でも母は子どもを守護するのです。

これは「顕幽」関係がない。生きていようが逝こうがテレパシーは届くのです。



◎「マー」音の瞑想法


お釈迦様の御母堂は、摩耶夫人。育ての母はマハーパンジャーパティ妃。

キリストの母は聖母マリア。頭文字が「マ」なのです。


子どもが一番はじめに発するのが「マー」とか「アー」ですね。

これは理由があります。「マ」は母の音、原始の宇宙音なのです。

「摩訶般若波羅蜜」「マハー パンニャー パーラミーター」の

「マ」はこの原始の母の音に繋がっているのです。

そういうつもりで「摩訶般若波羅蜜多心経」とやる。


ある種のヨガでは、片膝を立てて、そこに肘を付けて、耳に手を立てて集音のポーズ。

そして「マー」と唱える。制限なく宇宙の母音と同調する。

まあ、宇宙は声なき声を絶えず鳴らしているのでしょうが、

声帯を使って音を出す。これは空気の振動です。


母の母胎に入ったつもりで行なう。

円陣を作って多くの人で行なう。

私に教授してくれた方は、空気の振動のもう一つ向こうにある、

音なき音に感応するんだよということは言いませんでした。

あるいは母胎に入ってお母さんの心音に同調するんだ、なんてことは

アドバイスがなかった。分かっていなかったのでしょう。


自然や宇宙の感じられるところで、この「マー」音の瞑想を心ゆくまで

やりたいものです。大勢で「マー」「マー」「マー」とやり続ける。


読者の皆さん。「今日の「マー」の瞑想とかいうヤツ、感動した!」とか言って

そのへんの公園なんかでデカイ声でやらないでくださいよ。

通報されちゃいますからね(笑


この渡世で修行をするには、保護色変化の能力が必要です。

状況を見る能力です。状況に応じて様々行なうのです。無理はしないこと。

声を出すことができなければ、声を出さないでやればいい。

分かりましたね。


(つづく)

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川島徳慈しるす

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉛】

  • 2019.09.24 Tuesday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉛】


≡ 偉大な母の功徳を説く❸ ≡



◎摩訶摩耶夫人は何故7日後に亡くなったのか?


お釈迦様の御母堂であった摩訶摩耶夫人は、王子(シッダルータ)をお産みになって

七日後にお亡くなりになって、すぐに三十三天の上から二番目の天界に生じた。

釈迦は、仏陀になられて亡き母の為に三十三天にゆきホトケの説法をされた。


お釈迦様は摩耶夫人の実の妹、 マハーパンジャーパティに育てられた。

育ての母親であるマハーパンジャーパティ妃は王子を大切に育てて、釈迦成道の後

出家を希望し、仏教教団において初の尼僧になった方である。

出家には覚りを得て、アラハンになった聖者である。


お釈迦様の二人の母は、成仏して涅槃ニルヴァーナに入られた。

育ての母のマハーパンジャーパティ妃が終生にわたりお釈迦様を護り尊敬していたことは

容易に分かる。けれども実母 摩耶夫人とは、あまりに早い哀しい死別だった。

この事をどう考えたらいいのか?


実は産みの母親(実母)というのは、宇宙からふりそそぐ悪しき気から胎児を守って

いるのである。もちろん物質的にも護り、身体の形成においての栄養面でも子どもを

守っている。それが母というものである。おふくろさんとは、この母の護り袋のことを

指している。


皮膚と筋肉脂肪粘膜、膜と水で胎児を護る。これは物質的な敵や事故から守るだけでなく

星々から来る悪しき光線(宇宙電波)から子どもを護っているのだ。

お釈迦様は、人類の教師に成るほどのお方である。霊的には母胎に宿った時から聖者で

ある。こういう偉大な聖者には、必ず障碍する悪しき存在がつきまとう。星からの光線も

聖・邪が交錯する。マハーマーヤ夫人は、王子シッダルータの悪しき光線を自らに吸収して

仏陀の前身のシッダルータ菩薩を護って逝ったのである。



◎マハーパンニャー妃は仏陀となる方だと確信していた!


育ての母マハーパンジャーパティ妃が、人相見の名人アシタ仙を招いたのだと思う。

偶然通りかかったみたいな故事になっているが、偶然通りを歩いていたなんて

あるわけがない。釈迦族のいたマガダ地方には、仏陀が出てくるという伝説が

あったのだ。はじめから仏陀が生まれてくるということが予告されていた。


摩訶摩耶夫人と実妹マハーパンジャーパティは、分かっていたのだ。

だからこそ自分の子どもは乳母に任せて、シッダルータ王子を育てたのである。


アシタ仙は人相見というが、手相・足相、星宿を観て、仏陀になられるお方であると

太鼓判を押した。と、いうよりも仏陀をお産みになる母になると予告してのではないか。

当然 お産みになる際にも難儀が襲うと予告していた。だからこそ良い方角に移動したが、

途中でお産みになった。出産はできたが完全に難を逃れることができなかった。


実妹のマハーパンジャーパティ妃も情報を共有していたので、はじめから迷う事も

なかった。シッダルータ王子を仏陀の前身の菩薩として育てて、苦行のときも

遠くから「陰膳を据えて」見守っていた。


私は先述の摩耶夫人、育ての母マハーパンジャーパティを大般若仏母の原型と考える。

子守唄(合言葉)は、

「タヤター ガテーガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディーソワーハー」だ。



◎ヤショーダラ妃と佛子ラーフラ


お釈迦様と深い縁のあった母はもう一人いる。それはシッダルータ王子の王妃となった

ヤショーダラー妃である。シッダルータ王子との間に一子ラーフラ(羅睺)をもうけた。

ラーフラはまさに佛子である。


ラーフラがお生まれになった時に、お釈迦様は「障害」ということを言われた。

星宿でも「計都星」「羅睺星」は悪しき星だ。よりによってそのような変な名前を

我が子にお付けになる。いろいろな説はあるが、私は妙な話だと思っていた。


しかし、チベット密教のゾクチェンなどでは護法尊という存在がいて、特に重要な尊格が

三尊あって、その一つがラーフラなのである。もちろんこのラーフラが釈尊の一子の

ラーフラだとは言わないが、ラーフラは「般若」の守り神なのだ。この事で私は

何らかの意味があってのお名前だったのだと思えるようになった。


そしてヤショーダラー妃もまた出家して、最後には「反省随一」となり、

阿羅漢果を得て涅槃ニルヴァーナに入った。お釈迦様は自分に関わる三人の母を

悉く成仏せしめたのだ。もちろんラーフラもアルハトになり、密行随一の十大弟子の

一人になった。

(つづく)

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【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉚】

  • 2019.09.22 Sunday
  • 08:00

【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉚】


≡ お彼岸に因んで❸(最終話) ≡



◎お彼岸のお中日の御供養


令和初のお彼岸です。( ※ お中日は9月23日)

関係のない話題ですが、宇宙時代の到来をはっきり感じています。

このお彼岸の期間で、はっきり予感しています。


さて、墓参のご供養の要諦は何でしょうか?

それは「布施行」です。これを「檀那波羅蜜」という。

檀那さん、檀家さん共に同じ語源です。


お花、供物、お香。お水は「布施」の意味です。

水には「洗水」と「献水」があります。

チベットでは、「八供養」とし、献水を「アーガン」、洗水を「パーダン」という。

洗うという意味、飲み水という意味、この二つがある。


日本では六供養となる。

これは「六波羅蜜」「根本六大煩悩」に対応している。

「波羅蜜」の中心(骨)は、「般若波羅蜜」です。


お掃除して掃き清め。水で洗いきよめ。お花を生けて、お供物を献じ、

お香を焚いて、清水を水受けに供して、墓標にたっぷり水を布施する。

お墓が傷むとかいう御託は気にしなくていいです。



◎「摩訶般若波羅蜜」を追善供養する


「摩訶般若波羅蜜」をご供養するには、「般若心経」を読誦するのが一番です。

でもお寺によってはできません。例えば、日蓮宗や浄土真宗のお寺。

特に日蓮宗寺院での「般若心経読誦」は、おやりにならない方がいい。


「光明真言」「父母成仏真言」「南無阿弥陀」「南無妙法蓮華経」、

これを以てご供養するのに、「摩訶般若」をどう込めれば良いのか?


こうすればいいのです。日頃から「般若心経」を読誦して、「唵」「南無」に

「般若波羅蜜」を込めるのです。その唱題なり、念仏でご供養する。

成仏の為の修行は、すでにお釈迦様が全部やってくださっているのです。

真の理解をして、法(涅槃)に帰依すればいいのです。

( ※詳しくは摩訶般若の伝授会にて)



◎父母成仏真言を伝授す


「諸行無常の詠哥(歌)」

「わかいとて  すえをながきと  おもうなよ  むじょうのかぜは  ときをきらわず」

若いとか何んとか言っても、先が永くあると思わないほうがいい、

諸行無常の風は 時を選ばずに吹くものである、という意味。

( ※ 善光寺御詠歌二十一番のうちの「第八番」

「若きとて  末を永きと  思うなよ。 無常の風は  時を嫌らわず」)


この和歌が、Kさんのお宅の仏壇に手を合わせると脳髄に浮かんできた。

実際には、流れ込んでくる感じだった。この古歌に付随して「父母成仏真言」という

マントラがある。




オン ハラシャラ マニ ソワカ(適宜・金剛合掌)


この御真言の「オン」、ここに「摩訶般若」を込める。

「唵(オン)」は、宇宙の根本音で、細かくは「ア・ウ・ム」となり、

さらに「ア・オ・ウ・ム・ン」と。「ァ・ア・ォ・オ・ウ・ム・ン」の七音。

「オーン」の詠唱の秘訣もある。これは秘伝なので伝授会で明確にお伝えします。


〔父母成仏真言の使い方〕

”稱貔仏真言をお唱えして(適宜)、

⊆,法◆崕行無常の詠歌」を唱えて、父母からのお教えと捉えて、

親からのお諭しとして頂く。

さらに感謝の父母成仏真言読誦を行ず。

(※ 大きな声を出す必要はない。お釈迦様、善光寺如来(弥陀観音勢至の三尊)を想うべし)


以上、「父母成仏真言」とその使い方を伝授しました。

あなたのお母さん お父さんの報恩謝徳のご供養にお役立てください。

お彼岸に因んでご活用していただけたら、これにすぎる喜びはありません。著者。

( ≡お彼岸に因んで(終)≡ )

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密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉙】

  • 2019.09.21 Saturday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉙】


≡ お彼岸に因んで❷ ≡



◎日蓮聖人ゆかり『首つなぎのボタ餅』の功徳を巡らす


叔母さんが不思議な僧から「祈祷法」を教わったというKさん。

87歳であるが、とても元気で認知症の兆候もないし健康体である。

ただ若い頃に足を踏み外して、右の骨盤が下がってしまい、右足の甲の部分に

違和感があって、足指に力が入らないので、立つときに不安定で、歩行が徐々に困難に

なってきていた。


私は指圧師でもあり、保険適用の医療施術ができるので、医師より同意書を貰って

この方の施術を行った。その結果、一年で著しい改善が見られ、周囲からは奇跡みたいだと

賞賛を受けている。そのことはご本人も認めており、これは私の体得せる「観趾法」の

効力だと断言できる。

( ※ この観趾法は私以外には体得しているものは稀で、私のところの生徒さんでも

赤塚先生だけが唯一実践者としてやっておられる。高野先生の秘伝書も蔵しているので、

「足の操法」の研究勉強会をやろうと企図している。)


そういう背景があって、非常な信頼ができている。その上での「首つなぎのボタ餅」の

紹介なのだ。話が自然にKさんの心に入ってゆく。大切なことは「ラッポール」である。

治療も修道も、肝心かなめは信頼感である。


私はKさんに日蓮聖人の「ボタ餅」の功徳巡らせたのである。



◎我が実母のこと


私は生くるとは死ぬことなり、そう思って生きている。

一日生きれたら、それで死んでゆく。

「生きながら、死人なりて、成り果てて」、その覚悟を以って生きている。


親から貰ったこの命、生命の一滴までも使い切ろうと思い定めている。

何より親に感謝。何と言っても母に感謝である。おふくろさんは偉大である。


この母にも日蓮聖人ゆかりの「ボタ餅」の功徳を巡らせました。


母は、9月5日に腸の検査を受けた。

9月9日(関東大型台風 一過の後)検査結果を聞きに行く。

大きなポリープが見つかる。それはずいぶん大きなものだった。

その処置は其の病院ではできない。そこで紹介状を書いてもらい、

すぐに横浜市大付属の病院に行く。それが、9月11日だ。

紹介状にはデータが付いているので、すぐに医師よりことの詳細を聞く。

結果は良くない。まあ悪性ですねと。でも進行性ではないからよかったとも。

医師は自信があるのか、「ウチの医療技術ならこれくらいは切除できる、

大丈夫ですよ」と言ってくれた。


しかし翌日の9月12日もまた食事の調整をして同病院に行くことに。

再度の大腸検査をやって確実に診たいと。母のこのところの事を考え、体力の消費が

心配であったが、お願いしますと言って私は即断した。

小さい折りたたみの椅子を持って、老いた母と移動した。時々そのイスに座らせて…。

私は日夜ひたすら「般若心経」を念誦した。いつにも増して行なった。

また「延命十句観音経」を繰り返し念誦した。

千遍、二千遍、三千遍、五千遍と「念被観音力」、

「摩訶般若波羅蜜」の思いを込めて。


ドクターのチームは女医さんだ。とても優秀で内視鏡で検査中に、

急遽 切除可能ということになった。

母も即断して綺麗に取っていただいた。まさに9月12日の悪性ポリープの首刎ね。

悪性ポリープ、これはガン化しているものだった。


私が、これは日蓮聖人の「首つなぎのボタ餅」の功徳だ、

そう思う事は、けっして奇異のことではないと……。

読者の皆さんはきっと理解してくださるであろう。私はそう信じる。

ゆえに事の仔細、事実をお伝えしたのである。


日蓮聖人ゆかりの「首つなぎのボタ餅」、

聖人は、約750年前の9月12日〜13日未明に「首つなぎを成就」した。

日蓮大菩薩は、「龍ノ口の法難(斬首の法難)」を乗り越え、上行薩埵の自覚を得た。

その縁起は「首つなぎのボタ餅」にあり、13日には命拾いしたことを自覚した。

母もこの功徳をいただいた。私はそのように確信するものである。



◎精神感応によって和歌が脳裏に浮かぶ


Kさんにも、この「長生き」の功徳がゆくように、Kさんの実母にご挨拶した。

その結果、叔母さんの不思議な祈祷噺が出てきた。その祈祷の根源は善光寺にありと

私は看破した。するとK家の仏壇より「その通り!」との精神感応。

次に或る和歌が脳裏に流れこんでくる(浮かぶ)。



上記(写真)の和歌だ。

表題は「諸行無常の詠哥(歌)」とある。有名な和歌だ。

親鸞聖人が子供の頃に歌ったものともいわれている。


「わかいとて  すえをながきと  おもうなよ  むじょうのかぜは  ときをきらわず」

( 若きとて、末を永きと思うなよ。無常のカゼ(風)は、時を嫌わず)


若いとか何んとか言っても、先が永くあると思わないほうがいい。

諸行無常の風は 時を選ばずに吹くものである。という意味。

ようするに「一寸先は闇」ということだ。

「無常の風(カゼ)」という語が何とも奥深く含蓄がある。


この和歌は、善光寺御詠歌二十一番のうちの「第八番」だ!

善光寺如来讃嘆の御詠歌である!!

やはり!善光寺だ!!


この和歌に付随して「父母成仏真言」というものがある。

次回は、これを特別に読者に伝授する。

お彼岸に因んでご活用していただけたらこれにすぎる喜びはありません。

(つづく)

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密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉘】

  • 2019.09.20 Friday
  • 08:00

密教【摩訶般若波羅蜜多心経の大功徳㉘】


≡ お彼岸に因んで❶ ≡



◎今年の秋のお彼岸は9月20日〜26日


現在「偉大な母の功徳を説く」シリーズを認めていますが、お彼岸ということなので、

それに因んだお話を述べたいと思います。


今回 急遽お彼岸ということでお話をするのは、或る出来事があったからです。

太陽が真西に沈む。西方には、阿弥陀仏が主宰する極楽浄土があるとされ、

人間界の衆生の御本尊というべき存在が阿弥陀仏。陽が西没する故に彼岸として

御先祖の供養回向の期間とされました。


密教の曼荼羅の理からすれば、阿弥陀仏は無量寿如来であり、蓮華部の尊格という

ことになります。蓮華部は、人間界であり、阿弥陀仏の脇侍は観音菩薩と勢至菩薩

。いわゆる弥陀三尊は人間界の守護仏です。


真西に陽が沈む日をお中日(ちゅうにち)。

今年は9月23日です。

縁起の良いお彼岸には御先祖のご供養をする。これ日本の霊的な智慧です。

特にこの期間は、善き感応がありますので、御先祖ならびに所縁の諸精霊に

「摩訶般若」を回向しましょう。



◎「摩訶般若波羅蜜多心経」が感応した!


お彼岸に因んで本稿をものした、その直接の動機、それを述べましょう。

まさに本日、お彼岸に入らんとする時に、私は精神感応(テレパシー)を得たのです。


或る老翁のお宅にゆき、いつもの通り指圧の施術をしました。

この方は87歳。実父は東京大空襲でお亡くなりになり、戦後は母と弟二人、一家四人で

戦後を生き抜いた人です。


二人の弟の父親がわり。母を支えて、13歳で一家の大黒柱になった苦労人。

大変穏やかな人柄で、弟達ともご近所で幸せに暮らしています。

この方に「首つなぎのボタ餅」の功徳話などして、世の中には摩訶不思議が

あることをお話した。


私は必ずクライアントのお宅に伺うと仏壇に手を合わせます。

その御宅の御先祖にご挨拶して、施術に取り掛からせていただく。

これは恒例の所作です。私の流儀・作法です。


この方を仮にKさんとしましょう。

私の「首つなぎのボタ餅」の話を受けて、K老翁は、世の中には不思議なことがあり、

自分の母の一番上の姉(実母は七女)が、或る時 見ず知らずのご僧侶から、

特殊なお祈りの仕方を伝授され、多くの人に施し、実際に効果があったという。


私はこの日、仏壇を拝する時に、この方の亡き実母に祈ったのです。

或る理由があって祈りました。

するとお母さんの一番上の姉の話が出てきた。


Kさんから言えば叔母です。この叔母さんは今生きていれば125歳で、

ちょっとした疲労から、身体の不調など、様々な事を解決していたという。

謎のお坊さんから教わったお祈りの仕方で、不思議な霊験を現していたそうです。

(Kさんの実母の家は、女7人・男2人の計9人兄弟姉妹だった。昔は大家族ですね!!)


で、Kさんは宗教的な素養や知識はないので詳しいことは分からず。

その叔母の御子息(Kさんのいとこ)も全員 物故されているので、知る人はなく、

何の資料もない。Kさんの記憶だけが頼りです。


彼が言うには、念珠を揉んで、お経を唱えて、祈るというものだった。

私は念仏と般若心経ではないかと思い、それを言いました。

すると「何とかハンニャ」「なんまんだ」みたいなことだったと言うことになりました。


「南無阿弥陀佛」は主に、浄土宗と浄土真宗、天台です。

「般若心経」は日蓮宗系以外は読誦しますが、浄土真宗ではやらない。

浄土宗は一部やる。残るは天台だけですが、天台ではないと私は思いました。


私は、天台などの僧かもしれないが、善光寺如来を信心していた、

お坊さんだと感じていました。教わった時は大正時代あたりのことのようです。


Kさんの叔母さん所伝の祈祷法。

その加持力の源泉は、「摩訶般若波羅蜜多心経」であり、

阿弥陀仏とその脇侍、観音菩薩・勢至菩薩だった!

善光寺では、弥陀の念仏と、般若心経を併せてお唱えするのです。

もちろん観音菩薩もやります。


私は帰りがけにも、K家の仏壇に頭べを垂れてご挨拶すると、

「その通り!」という精神感応(声)がありました。


すると摩訶不思議にも、或る和歌が頭に流れ込んできました。

「あっ、この和歌は!!」

発止と私の心を捉えました。


それは、父母成仏真言に連なる和歌でした。

(つづく)

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