葉衣尊番外篇【夏越祭 水無月大祓式】祓いの法具(葉っぱ)
- 2020.06.30 Tuesday
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葉衣尊番外篇
本日は【夏越祭 水無月大祓式】
◎本年は特殊な大祓式である
本年の大祓式は非常に特殊である。巷間のソーシャルディスタンスに則り、神職のいでたち、
社務所窓口、運営の仕方が、新型コロナ対応になっている。参拝者なしという形式での
大祓式を執行する神社は多いと聞いている。
私の場合は神奈川県が地元で、一ノ宮は寒川神社。多勢の参拝者で賑わうが、今年は趣きが
違うようである。こういう時にこそ、神社に行き懇祷しなければならない筈だが、どうやら
今回は遠慮することが法に適った道のようである。
だが、どのような形でもいいから、大祓式には参加するべきである。件の寒川神社では
人型郵送による大祓もやってくれるので、私はそれを毎度申し込んでいた。大祓式は日本の
根本的な儀礼であるから、日本人であるかぎり忘れてはならない霊的修祓の式なのである。
◎『風・火・水・土』の祓い
大祓式の元は、当然「大祓詞」である。この秘詞なくして式もない。この霊典である
「大祓詞」には、正神界における神業・神事が語られている。この書かれてある内容を
古代人の神話物語と言おうが、古代文学だと言おうが、そんな諸説は問題にならない。
もっと言えばお話にならないのだ。
神々の本当の動きを人間界に下賜されたものが「大祓詞」なのだ。たとえそれが人間界の
言語でも、そこに込められた「神意・神威」は変わらないのである。「大祓詞」を修唱
すること自体が「神業」なのである。
「大祓詞」の後段には、「四つの元素の祓い」が記されている。大祓詞の後段の仕組みと
いうのは、まさに神秘的である。以下、大祓祝詞の句と祓いの種類を記す。
❶科戸の風の天の八重雲を (しなとのかぜのあまのやへぐもを)
吹き放つ事の如く (ふきはなつことのごとく)
→ 『これは、風の祓い』
❷朝の御霧 (あしたのみぎり)
夕の御霧を (ゆうべのみきりを)
朝風夕風の吹き掃ふ事の如く (あさかぜゆうかぜのふきはらふことのごとく)
→ 『火(太陽)の祓いのこと』
❸大津辺に居る大船を (おおつべにをるおおぶねを)
舳解き放ち (へときはなち)
艪解き放ちて (ともときはなちて)
大海原に押し放つ事の如く (おおうなばらにおしはなつことのごとく)
→ 『水(海水・塩)の祓いである』
❹彼方の繁木が本を (おちかたのしげきがもとを)
焼鎌の利鎌以て打ち掃ふ事の如く (やきがまのとがまもちてうちはらふことのごとく)
遺る罪は在らじと。のこるつみはあらじと。
祓へ給ひ清め給ふ事を。
→ 『これは土の祓いで、鎌であるから金属(かね)による祓いでもある。植物を刈り取る。
刈り取った植物をさらに祓いに活用する。ここにお守りや神事儀式供具の原点がある。』
◎大祓式における植物
先の「土の祓い」では鎌(金属)を用いて草を払う土の祓いだった。祓われたのは土、
払われたのは草。今度は草を用いて、お守りを作ったり、祭儀に使う供具(〆縄)などを
謹製する。大祓式の「茅の輪(ちのわ)くぐり」は、「茅(カヤ)」を使う。
「茅」という漢字は「ちがや・かや」と訓まれる。
植物学の分類によれば、カヤとチガヤは異なる植物である。しかし古代の日本や中国では、
しばしば混同された。茅(チガヤ)は典型的な魔除けの植物である。
「茅は霊草をいう(『漢書』郊祀志上、顔師古注所引張晏)」と、
茅には不思議な力が認められていた。
日本では、端午の節句の時期にシメナワに茅と艾(ヨモギ)を結わえ、
屋根に飾る風習があり、これは家屋に侵入しようとする悪鬼をしばりあげるためのもの。
茅(チガヤ)は葉が矛の形に似る。また茅の葉は刃物の様によく切れる。
「茅の輪」は輪をくぐることによって、茅の刃で、身についた悪鬼をそぎおとす。
これが大祓式の真相である。「茅の輪くぐり」は土の祓いに属するのである。
また端午や夏至に食べる粽(チマキ=茅巻)は、茅(チ=チガヤ)で巻いたから、
この名があるとされ、ゆえに祇園祭の「飾りチマキ」は門口にぶら下げられる。
正月のシメナワと同様、植物を使った禁厭呪法で、悪霊除けの意味があったと思う。
輪の真ん中をくぐる、これを「魔抜き」と言って、魔を抜く儀式に通じている。
〔※すでに心は「七夕祭」をみています!〕
◎祓いの法具を密用する(葉っぱを使う)
「祓いの神具」は、
❶祓い串(幣)
❷火打石、火鑽鎌
❸水・塩・植物
幣(ぬさ)・祓い串は、「風の祓い」。
火打石は、「火の祓い」。赤身の入った火打石がよい。火鑽鎌は市販のものでよい。
「水の祓い」は、器を用意し、水を入れ、塩を入れる。それを榊葉で行なう。
榊葉がなければ、樒葉でもよいし、その他の植物でも代用できる。
とにかくすべて、左・右・左でおこなう。
言葉で行うこともできる。
「神火清明」「神水清明」「神風清明」三唱して、伊吹(息吹き)を 左・右・左と対象に
吹くのである。
あるいは、手振りでもできる。右の手の平を幣に見立てて「左・右・左」と振る。
微音・無音でもいいから、手を振るとき、息を吹きかける時に、
「祓い給い 清め給え」と念誦するのが秘訣である。
「水の祓い」で葉っぱを用いて修祓するが、これは格別の感応がある。
やはり葉っぱは呪力があるんですね。以前、伊勢神宮にお参りした時に、特別に一段中に
入らさせていただいて参拝した。その際にこの「水の祓い」を軽くしてくださった。
もちろん水は五十鈴川の清水。葉っぱは御神域の榊葉。塩は伊勢神宮謹製の塩。
効かないわけがない。こういうことは体験済みなのです。
◉7月6日(月) 夜8時〜9時『七夕祭 遠隔祈願会』
日時 : 令和2年7月6日(月)午後8時〜9時
【準備】短冊、笹など
※ 短冊は各自で、適宜ご用意ください。
※ 笹竹は、花屋・スーパーなどでも調達できるでしょう。そんなに立派でなくてもよい。
あるいはお近くの公園で40僉50僂曚匹里發里鮑里辰討れば充分です。
※ 図にあるような「七夕飾り」があれば結構ですが、無くてもよい。
一番の眼目は「短冊」です。
※7月6日(月)午後8時までに記し、『遠隔 祈願会』に臨んでください。
一時間ほど遠隔祈願し、心を空にし天心に感通するのです。
※祈願会の次第は、明日掲載します。
では、葉衣観音菩薩を念じましょう。
【葉衣十句観音経】
葉衣観世音 南無佛
与佛有因 与佛有縁
佛法僧縁 常楽我浄
朝念観世音 暮念観世音
念念従心起 念念不離心
オン ピサチ パルナジャバリー サルワ ゾラ プラシャマナイェー ソワーハー(リンポチェ伝)
おん はらな しゃばり うんはった(葉衣観音真言・八葉印)
おん だき うん じゃく(吒枳王真言・降三世印)
合掌
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◎新型肺炎コロナに対応する対応の『観音功徳聚』
→ http://shizenfukuchi.jugem.jp/?day=20200410 (ここでご覧になれます)
※ 葉衣観音(葉衣仏母)のマントラ。延命十句観音経などの集成。
◉ 葉衣観音 オン ハラナ シャバリ ウン ハッタ (八葉印)
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川島徳慈 記す
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